乳歯の虫歯

お子様の歯は歯質が柔らかく、虫歯になりやすい状態です。小児期の口腔環境は大人になってからの口腔環境を大きく左右するため、小さなお子様のうちからフッ素やシーラントなどの処置でしっかりと虫歯予防することが非常に大切です。

歯みがきをしましょう

◆乳歯から永久歯への生え変わりはいつから?

一般的な目安として、乳歯は生後6ヶ月から生え始め、2歳半~3歳くらいまでに全て生えそろいます。

5~6歳の頃に、初めて乳歯が抜けて歯の生え変わりが始まります。この時期は虫歯のリスクが高まるだけでなく、歯並びやかみ合わせのトラブルも生じやすくなる時期です。また、口呼吸や発音、食べ方、お口ぽかんのくせなどが歯並びに影響しやすい時期でもあります。虫歯や歯並び、噛み合わせの問題を事前に防ぐため、定期的に歯科医院で検診を受診することをおすすめします。

その後、12歳くらいで全ての乳歯が抜けて生え変わっていきます。

永久歯への生え変わりのスピードは個人差が大きく、男の子よりも女の子のほうが早い傾向があります。お子様によっては1年以上のずれがあるため、生え変わりのスピードがゆっくりでも落ち着いて経過観察をしていきましょう。もしご心配な場合は、6歳頃に歯科医院でレントゲンを撮って永久歯を確認することもできますので、歯科医師にご相談ください。

抜けた乳歯

◆乳歯の虫歯の特徴

  • 乳歯の虫歯は黒くならないことが多い

乳歯の虫歯は大人の虫歯のように黒くならず白いことが多いため、虫歯になっても気がつかないまま進行してしまいます。黒い虫歯はゆっくりと進行しますが、白い虫歯は進行が早いと言われています。

  • 乳歯が虫歯になると神経まですぐに達してしまう

乳歯な永久歯に比べて、表面のエナメル質と象牙質が薄く、酸に溶けやすく柔らかいという特徴があります。エナメル質までの虫歯なら再石灰化で治る可能性がありますが、その下の柔らかい象牙質まで虫歯菌が入ってしまうと虫歯が一気に広がってしまいます。神経まで虫歯が進むと治療が難しくなり、お子様の負担も大きくなるので、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。

◆乳歯の虫歯ができやすい場所

乳歯の虫歯になりやすい場所
  1. 奥歯の溝

    奥歯の溝は深く、磨き残しが溜まりやすい形をしています。奥歯の溝はシーラントで虫歯予防をすることができます。

  2. 上あごの前歯

    3歳までは上の前歯の歯と歯の間が虫歯になりやすく、注意が必要です。ジュースやスポーツドリンクなどの与えすぎに気をつけましょう。

  3. 奥歯と奥歯の間

    奥歯と奥歯の間は見えずらく、歯ブラシで汚れを落とすのは難しい場所です。乳歯の虫歯が最もよくできる場所です。

  4. 歯と歯ぐきの境目

    歯と歯ぐきの境目は磨き残しが多い場所です。力を入れすぎず優しく丁寧に仕上げ磨きをしましょう。

下の前歯には唾液が出る入口があるので唾液の自浄作用により、ほとんど虫歯は見られません。

◆乳歯の虫歯による悪影響

  1. 咀嚼機能の低下

    たくさんの乳歯が虫歯になって歯冠が崩壊したり早期に抜けてしまうと、うまく噛めないという咀嚼障害が起こります。

  2. 永久歯への悪影響

    乳歯の虫歯が多くお口の中に虫歯菌が多い場合、乳歯の下にある抵抗力の弱い新しい永久歯の成長に悪影響を及ぼしてしまいます。

  3. 永久歯の歯並びが悪くなる

    乳歯に大きな虫歯があったり早期に抜けてしまったりすると、永久歯が出てくるスペースが減少し歯並びが悪くなってしまいます。乳歯には永久歯が生えてくるためのスペースを確保するという役割があるからです。その他にも、顎の骨の成長や正常な噛み合わせや歯並びにも影響を及ぼしています。

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